ガス主任技術者の資格取得について
ガス主任技術者・供給
ガス主任技術者・供給・導管の設計について
ガス主任技術者試験の供給・導管の設計についてまとめてみました。参考にして下さい。
導管の設計について
材料の特徴
(1) 鋼管
加工が容易、強靭、品質が均一。低圧から高圧まで使用されている。
(2) 球状黒鉛鋳鉄品(ダクタイル鋳鉄管)
リン、イオウ等の不純物の少ない溶せんにマグネシウム又はその合金等を添加することにより、ねずみ鋳鉄では望めない伸びと高い強度を得ている。
(3) ポリエチレン管
電気腐食の心配はなく、化学的に安定している
耐薬品性も極めて良好で耐腐食性に優れている。
埋設管として必要な剛性を有する一方、伸びが大きく可とう性に優れている。
変形によって発生した応力は時間とともに減少していく応力緩和特性がある。
可とう性もあり融着接合も容易である。
復元性に優れている。(スクイズオフで遮断)
導管の製造法・接合
ポリエチレン管
@押出成形法
原料の粒状ポリエチレンを押出機内で可塑化(かそか)し、管状に押出し 冷却する。
A射出成形法
原料の粒状ポリエチレンを可塑化し、溶融した原料を継手金型に射出する。
融着
@ヒートフュージョン(HF)接合
接合の種類として、バット融着・ソケット融着・サドル融着の3種類がある。
Aエレクトロフュージョン(EF)接合
電熱線に所定の電気エネルギーを供給し発熱させることにより、継手内面と管外面を同時に溶解し接合する。ソケット融着とサドル融着の2種類がある。
導管構造の設計
埋設された導管には、ガスの内圧のほか、埋め戻し土による土荷重、更に路 面上を通行する車輌等の輪荷重がかかる。 管厚計算式は、埋設される導管の管厚を算出するため定められたもので、内 圧から求められた式及び土圧と輪荷重の外荷重から求められた式のいずれか大 きい値をとることになっている。
応力とひずみ
応力
材料に働く外力のことを荷重という。棒の軸中心に引張り又は、圧縮方向に荷重がかかると、軸に直角な任意の断面に外力につり合う内力が生じ、棒は伸び又は縮む。このとき外力W及び内力σは任意の断面積をAとすると単位面積あたりの内力は、σ=W/Aで示される。これを引張応力または圧縮応力という。
ひずみ
長さLの棒が荷重Wのためδだけ伸びまたは縮んだとすると単位あたりの伸びまたは縮みεは、ε=δ/Lで示され、引張または圧縮ひずみという。
応力とひずみとの関係
応力とひずみは、変形(ひずみ)が小さい範囲では比例関係にある。 σ=Eε
比例定数Eは縦弾性係数(ヤング率)と呼び上記式の関係はフックの法則と呼ばれている。
内圧による応力
導管はガスの圧力により円周方向の応力と軸方向の応力を生じる。
@円周方向応力(σc)
σc=PD/2t
A軸方向応力
σl=PD/4t
P:内圧(MPa)
D:内径(o)
t:管厚(o)
温度変化による熱応力
温度変化による熱応力は、埋設管が土の摩擦力等で拘束されていたり、両端が 堅固に固定されている地上配管の場合に生じる。
地上配管の場合の応力は、パイプの長さが温度変化以後のものであると考え、 これを温度変化前の長さまで荷重を加えて引張り又は圧縮した場合に生じる応 力として算出する。
パイプの長さLの一端が自由の場合の伸び量は
δ=αΔTL
α:導管の線膨張係数(1/℃)
ΔT:温度変化幅(℃)
パイプに一様に生じるひずみεはフックの法則の式より応力は次式となる。
σ=Eε=EαΔT
E:ヤング率
(4) 土荷重及び輪荷重による導管の応力
@土荷重
土荷重の大きさは、(埋めもどし土の単位体積質量)×(埋設深さ)×(重力加速度)で求められる。
Wf=r・H・g
Wf:埋めもどし土による土圧(MPa)
r :土の単位面積質量(kg/?)
H :埋設深さ(o)
g :重力加速度(m/s2)
A輪荷重
路面の集中荷重による地中の深さHにおける単位面積あたりの荷重は、ブシネスクの式より算出される。
P=3Q/200πH2・cos5θ
P:単位面積あたりの荷重
Q:荷重(N)
H:埋設深さ