ガス主任技術者の資格取得について

ガス主任技術者・能登半島地震

ガス主任技術者・能登半島地震について

このたびの能登半島地震により被災されたみなさまには、心からお見舞い申しあげます。

平成19年3月25日午前9時42分に能登半島沖を震源に、マグニチュード(M)6.9の地震が発生し、輪島市内の女性1人が死亡、  石川、富山、新潟の3県で190人以上が重軽傷を負い、石川県内で157棟が 全半壊した

地震の原因としては、これまであまり知られていなかった沿岸の活断層が動いた可能性がある

陸の活断層は空中写真などで見つけやすいが、海の場合は調査が難しく   解明は遅れている

余震も続いており、26日午前0時までに、輪島市で震度5弱を1回、  震度4を2回観測するなど、計149回の有感地震を記録

なお、日本海ガスさん(都市ガス)のガス設備でこのたびの能登半島地震による被害はございません。3月28日現在

地震による都市ガス対策として『地震防災対策』がありますので紹介します。

地震防災対策

平常時の設備対策だけでなく、二次災害の防止と供給停止地域の極小化を図るための緊急対策と、供給停止地域の供給再開の迅速化を図るための復旧対策・支援対策をバランスよく講じることが重要である。

設備対策

地震発生時に、ガス設備の損傷によりガスが漏えいしないように、地震発生前に、より耐震性の高いガス設備の整備をする。

埋設管の耐震性評価方法

応答変位法

周辺地盤の変位を構造物に地盤バネを介して外力を与えることで静的に計算しようという考えに基づいた耐震計算方法。

地盤変位吸収能力

設計地盤変位

既設導管の耐震性向上対策

入れ替える方法

鋼製修理バンドで外面から溶接部を補強する

反転ライニング工法で内面から補強する方法

緊急対策

地震発生時、迅速かつ的確な措置をとることにより、二次災害の防止、供給停止地域の極小化、早期復旧をする。

緊急措置体制

緊急措置が迅速かつ確実に行われるように動員を行う。

・ 動員基準

・ 出動方法、場所

・ 出動時の情報収集

・ 役割、緊急措置

災害対策本部を設置する。

・ 設置基準

・ 組織と役割分担

・ 関係会社との協力体制

・ 設備備品

緊急措置のための設備

地震時の二次災害を防止するための設備を平常時から整備しておく。

@需要家ごとの遮断装置

・マイコンメーター・メーターガス栓

・引き込み管ガス遮断装置・緊急ガス遮断装置

A即時供給停止ブロック・緊急措置ブロックを形成するための供給停止設備

・ 導管網をバルブなどにより即時供給停止ブロック・緊急措置ブロックに分割しておく。

B供給停止設備

・境界バルブの閉止

・整圧器の遮断・中圧導管のバルブの閉止・製造所やガスホルダーからのガスの送出遮断を行い、ブロック内へのガス供給源の停止

C減圧設備

低圧ガスホルダーへの受け入れ・大気放散

D地震計・情報通信機器

地震が発生した場合に供給区域内の被害発生の可能性と被害地区の推定を行うことにより、供給停止判断の迅速化を図り二次災害を防止するため、被害と相関が高いSI値または最大速度値の計測が可能な地震計を設置する。

SI値

地震の揺れの周波数で、高い建物の揺れに大きな影響を与える、周期が0.1〜2.5秒の揺れの強さの平均値を求めたもの。 カイン(cm/s)で表される。

緊急措置作業

@情報収集・緊急巡回点検

・地震時のSI値または、最大速度値

・ガス製造設備・ガス送出能力に関する被害状況

・ ガス導管網に関する被害状況

A供給停止判断基準

即時供給停止判断

・地震計のSI値が60カイン以上の場合。(暫定値)

・製造所または供給所ガスホルダーの送出量の大変動や、主要整圧器等の圧力の変動により供給継続が困難な場合

緊急供給停止判断

SI値が30カイン以上60カイン未満程度で、即時供給停止判断に至らなかったがそれに準ずる被害が予測される地域に供給停止をする。(暫定値)

・建物・道路の被害が大きい場合

・緊急巡回点検により主要導管被害が多数判明した場合

・ガス漏えい情報処理が緊急対応能力以上の場合

B緊急停止措置

・供給停止に関わるガスホルダー、中圧導管、整圧器および緊急措置ブロックの境界に設置された遮断装置を閉止する。

・中圧導管内の残留ガスの減圧を行う。

・供給停止地区需要家に対して供給停止・メーターガス栓閉止の広報を行う。

C緊急連絡

防災関連機関に地震被害状況供給停止等の緊急措置及び応急復旧に関わる情報を連絡する。

(1) 平常時において、より耐震性を有するガス設備の整備を行うのみ出でなく、二次災害の防止と供給停止地域の極小化を図るための緊急対策と、供給停止地域の供給再開の迅速化等を図るための復旧対策・支援対策をバランスよく講じていくことがきわめて重要である。

(2) 地震の揺れにはさまざまな周波数の波が含まれているが、このうち高い建物の揺れに大きな影響を与える周期が0.1〜2.5秒の揺れの強さの最大値を求めたものをSI値と呼ぶ。

(3) 応答変位法は、周辺基盤の変位を構造物に地盤バネを介して外力を与えることで、静的に計算しようという考えかたに基づいた耐震計算方法である。

(4) 地震が発生した場合に供給区域内の被害発生の可能性と被害地区の推定を行うことにより、供給停止判断の迅速化を図り二次災害を防止するために、被害と相関が高いSI値または最大速度値の計測が可能な地震計を設置する。

(5) 二次災害を防止し、さらには供給停止地区の最小化を図るため、導管網を事前にバルブなどにより適切な規模の即時供給停止ブロックや緊急措置ブロックに分割しておく必要がある。

(6) 地震計のSI値が30カイン以上の場合、即時に供給停止をしなければならない。